タヒチ島のベストサーフスポット
サーフィンはフレンチポリネシアの多くの島で盛んに行われています。リーフ、ビーチ、ショアブレイク、ウィンド、スウェルなど、一般的なサーフィン用語は英語由来のものが多いですが、サーフィンの発祥は実は、タヒチです。
タヒチでは、サーフィンは単なるスポーツではなく、人々にとって生活の一部なのです。
フレンチポリネシアは、どこにいても波を見つけることができます。地元の人々によく知られるサーフスポットを見つけに行きませんか。
タヒチ島でのベストサーフスポット
サーフィンについて書かれた最古の記録は、ジェームズ・クック探検隊の博物学者、ジョセフ・バンクスの著作*(ページ下部参照)に登場する1769年まで遡ります。サーフィンの起源はフレンチポリネシアの人々が作り上げました。その後、ハワイにわたり、更にはアメリカ式のマーケティングによって、よりメジャーなものとなりました。2024年、オリンピックを機会に、「チョープー(Teahupo’o)」の伝説の波は広く知られるようになり、タヒチは脚光を浴びています。
この伝説の波とも言えるレフトブレイクでのサーフィンに挑戦する前に、タヒチの首都パペーテの北や南にある、最もアクセスしやすいサーフスポットをご紹介します。フレンチポリネシアでのサーフトリップをお楽しみください!
プナウイア(Punaauia)
タヒチ島の西海岸に位置するプナウイアの町では、タアプナ(Taapuna)とサピヌス(Sapinus)の2か所のサーフスポットで、サーファーたちが素晴らしいレフトリーフブレイクを楽しんでいます。ここでは、1769年にイギリス人がオロパア(Oropa’a)(プナウイアの原住民)のサーフィンを見た場所でもあります。
パパラ(Papara)
ここにも素晴らしいサーフスポットがあります。サーフスポットは、マラ(Mara)峠の近く、洞窟やタハルウ(Taharu’u)がある場所に位置しています。
河口に位置するタハルウは、簡単にアクセスできる安全な場所で、サーフィンを学ぶのにピッタリの波と出会うことができます。サーフトリップの途中に立ち寄るのはもちろん、タヒチ島に観光に来ている方も、このビーチに立ち寄って典型的なフレンチポリネシアの雰囲気を楽しみ、サーファーたちの練習を見学してみてはいかがでしょうか。
タヒチ半島(Presqu’île)
タヒチの半島部分をチョープー方面に向かうと、美しいリーフウェーブを楽しむことができる3か所のサーフスポット、テ アヴァ イノTe Ava Ino(レフト)、テ アヴァ イチTe Ava Iti(ライト)、そして有名なヴァイラオVairao(ロングレフト)が現われます。
チョープーで見られる伝説的でオリンピック級の巨大なレフトウェーブはPK 0地点にあり、陸地から数百メートルの沖合で波はブレイクします。世界中のアスリートが大会のために、または世界で最も有名な波のひとつでサーフトリップを楽しむためにここに集まります。
海が荒れている時には、有名なサーフスポットではないものの、近くの河口の波でサーフィンを楽しむことができます。
東海岸
タヒチ島の北に位置するファアオネパス(Faa’one pass)には良いライトリーフのブレイクがあり、河口にもブレイクがあります。このスポットは美しい風波でもよく知られています。
パペノオ(Papeno’o)のサーフスポット
パペノオ川の河口とパペノオ湾にあるスポットは初心者に理想的な場所です。海底は小石や砂で、サーフィンをするのに十分なスペースがあります。
パペノオの泉とロッキーポイント(PK15)は、素晴らしいレフトライトブレイクが楽しめます。
Trois-Sapinsでは、サーフィンをボディボードに持ち替えて楽しみましょう。
北海岸
北向きのオロファラ(Orofara)サイトは河口からのアクセスが多く、湧き水も出るスポットです。ここでは、手前で起きるサイドブレイクとライトブレイクを楽しむことができます。マヒナ(Mahina)のアホヌ(Ahonu)スポットは、サーフィンスクールに最適の場所です。天候が荒れているときには波が強いですが、普段は腰くらいまでの小さな波が楽しめる初心者にぴったりのスポットです。
混雑時には、まだ初心者の若いサーファーたちを優先してあげてください。
ポイント・ヴィーナス(Pointe Vénus)からパペーテへ
ヴィーナス岬は遠浅のため、ライトブレイクの波に乗るのは危険が伴います。 一方、ポイント・ヴィーナスビーチは、ライト、レフトともにパーフェクトなブレイクがあり、初心者向けです。波は少し大きくなることもありますが、潮の流れはなく、3~4本の波が連続し、安定して発生します。
アルエ(Arue)のラファイエットリーフ(Lafayette reef)は、サーフィンやボディボード向けのライトブレイクを楽しむことができます。また、ボディボードの場合はラファイエットビーチのブレイクも楽しめるでしょう。
北か南か?
タヒチの北海岸、アルエからヒティアア オテラ(Hitia’a O te Ra)までのエリアは地元のサーファーやサーフトリップで訪れる観光客にとても人気があります。
11月から4月、5月頃までは北うねりが大きくなる時期です。しかし、この時期は北風が雨をもたらすトエラウ(To’erau)の季節でもあるので注意が必要です。この大雨で、川から土や細菌が運ばれてくる場合があるので、怪我をしている人はサーフィンをしないよう注意してください。
タヒチ島では南からのうねりは一年中ありますが、太平洋の他のエリアと同様に4月から9月、10月にかけては、よりうねりが大きくなります。
この時期はマラム(Mara’amu)風(南東の風)の季節でもあります。海流が強くなり、海底が変化し、波が高くなったり、ブレイクが激しくなったり、波が不安定になって視界が悪くなります。この時期は、波の向きに応じて、注意深くサーフスポットを選ぶ必要があります。
海と波は皆のものなので、常連のサーファーたちが使うスポットを訪れる際には敬意と分かち合いの気持ちが必要です。サーフスポットに関する彼らの知識は貴重なので、地元のサーファーに遠慮なく質問してみましょう。海があまりに荒れているときはここでは紹介しなかったような隠れ家的なスポットに地元の人たちが集まっていることもあり、そうしたスポットを彼らと一緒に楽しむこともできます。これもサーフィンの魅力なのです。
モーレア島のサーフスポット
タヒチ島の姉妹島と呼ばれるモーレア島も、タヒチ島に近いことから、フレンチポリネシアの旅に欠かせないワールドクラスのサーフスポットがあります。
最高の波を求めて、ヴァイアレ(Vaiare)湾のフェリー乗り場から北へと向かい、島内を巡りましょう。
テマエ(Temae)からハウル(Hauru)までの北海岸
タヒチ島に面するテマエは美しいライトブレイクが発生する場所です。ランギロア島のアヴァトル(Avatoru)と同じように、リーフのトップでブレイクするとてもユニークで、上級者向けのサーフポイントです。世界中のトップサーファーがこの波に挑戦しに訪れます。
クック湾のパオパオ(Pao Pao)リーフは、素晴らしいレフトブレイクを楽しむことができます。通常はそれほど大きな波ではありませんが、サイズが大きい時には、波のバレル(チューブ)が湾のはるか下の道路から見えるほど大きくなり、この波はモーレア島で最も美しい波のひとつと言えるでしょう。
オプノフ湾では、湾に入ると2つの大きな波に出会うことができます。右側はだいたいいつもブレイクが発生しており、左側ではうねりが大きい時にしかサーフィンをすることができません。
ハウル・ポイント(Hauru Point)の手前、タオタイ(Taotai)峠のパークロイヤルスポット(インターコンチネンタルホテルの前にあったホテルの名前)は、中級レベルのサーファーが楽しめる心地よいレフトブレイクを生み出しています。
西海岸
ハアピティ(Haapiti)はモーレア島の多くのサーファーにとってMUSTスポットです。タオタパス(Taota Pass)のレフトブレイクはワールドクラスの波と言えるでしょう。アティハ(Atiha)湾では、アヴァラパパス(Avarapa pass)から美しいレフトブレイクとライトブレイクがやってきます。
タヒチ島とモーレア島には、有名な大会に出場する世界中のサーファーがサーフィンを楽しむ素晴らしいサーフスポットがたくさんあります。
フレンチポリネシアのサーフスポットはいたるところに溢れています。
ボラボラ島のサーフスポット
ボラボラ島はタヒチ島から飛行機でわずか1時間の場所に位置します。1つの峠とリーフに守られたラグーンを有する「太平洋の真珠」は、サーフィンに適したスポットではありません。美しい島のさまざまなアトラクションを楽しむ間は、サーフィンのことを少し忘れてみるのもいいかもしれません。
それでも「波乗り」が恋しくなったら、内海のように広いラグーンで、風の優しい助けを借りながらウィンドサーフィンに挑戦してみましょう。
サーフィンはできなくとも、パラダイスにいることをお忘れなく!
ランギロア島のサーフスポット
ランギロア島で開かれるサーフィン大会、ランギロア・プロ・サーフをご存知ですか?タヒチではライロアホルエ(Ra’iroa hōrue)とも呼ばれるこの大会は、2020年まで毎年アヴァトルパス(Avatoru Pass)で開催されていました。
このサーフスポットでは、美しく幻想的なライトブレイクを楽しむことができます。この環礁は、タヒチ島やモーレア島とは景観が大きく異なり、他にはない体験をすることができます。ここでは高さ2メートル以上のバレル(チューブ)が規則的に連続して発生します。ただ、 珊瑚礁が近くにあり、深く潜りすぎると怪我をすることがあるので十分注意してください。
ティケハウ島のサーフスポット
タヒチ島から300km、ランギロア島からそう遠くないティケハウ島も美しい環礁の島です。このスポットは万人に向けてのサーフスポットではありません。かなり危険で、トゥヘイパスTuhei Pass(Tuheiava in reo mā'ohi)にあるレフトリーフブレイクはとてもパワーが強いのでご注意ください。浅瀬では、南西うねりによって発生する大きなバレル(チューブ)が見られます。スポットには、手漕ぎボート(パドルボード、カヤック)またはエンジン付ボートやジェットスキーでアクセスすることが可能です。
「船に戻ると、インディアン**が驚くべき方法で楽しんだり、運動したりしているのを見た。それは、他の多くのエリアでもそうであるように、海岸がサンゴ礁によって守られていない場所にあったため、私があまり見たことのないような高い波が海岸に発生しており、非常に恐ろしいものだった。ヨーロッパのボートがそこに上陸することはできなかっただろうし、海岸は小石や大きな石で覆われていたので、何かの拍子に[それ]に入ってしまった場合は、ヨーロッパ人はおそらく命を落とすことになっただろう。
これらの荒波の中に10人-12人のインディアンが泳いでおり、彼らは近くで波が砕けるたびに、いとも簡単にその波の下に潜り、波の反対側に出てくるのであった。しかし、彼らの主な楽しみは古いカヌーの後部を使ったもので、これを前に、波の外側まで泳いで行った。そして、一人か二人がそのカヌーに乗り、波がカヌーの鈍い端に向かってぶつかり、驚くべき速さでカヌーは押し流されていった。時にはほぼ浜にまで運ばれることもあったが、一般的には波が彼らの上で崩れた。その場合は、彼らは水中に潜ってすぐにカヌーを手に持って浮かび上がり、再び沖に向かい、同じ方法が繰り返されていた。」
*1769年5月28日 Volume 1, pp. 258-259
**古代タヒチ人