Patrick Seurot : 『Tama'a』誌出版ディレクター
Patrick Seurot
歴史や美食、文化に情熱を注ぐPatrick Seurot は、さまざまな事柄をテーマにしたフレンチポリネシアの雑誌を発行しています。中でも、隔月誌『Tama'a!』はフレンチポリネシアで絶大な人気を誇ります。Patrickの夢は、タヒチの島々を美食の観点から再発見してもらうこと。この雑誌には、フレンチポリネシアのシェフたちが、地元の食材を主役とした独自のレシピを提供しています。
2006年、Patrick Seurotはタヒチの魅力に取りつかれ、移住を決意しました。その後、自身のコミュニケーションエージェンシー「SMILE」とワインクラブ「Wine Hundred Club」を立ち上げ、彼は100種類ものワインをタヒチに輸入し、料理とワインのテイスティング企画を行いました。料理とワインのペアリングを成功させながら、Patrick は徐々にフレンチポリネシアの持つたくさんの味覚の宝を発見していきます。そして、地元の特産品とフレンチポリネシアの美食を広めるために全力を尽くすことを決意したのです。
現在、Patrick Seurotはモーレア ゴルフ レストランのマネージャーでもあり、プリント版とデジタル版を合わせ12種類もの雑誌を発行しています。彼の発行する雑誌は、エア タヒチ ヌイのE-KIOSKコーナーやtahitimagazines.comでもご覧いただけます。
「ここ数年、才能あふれるシェフたちが、地元の食材を千差万別の方法で調理しポリネシア料理が大きく進化しています。」バラエティに富んだ豊富な郷土料理は、あなたの舌を驚かせることでしょう。Patrick Seurotが、おいしい驚きに満ちたフレンチポリネシアの発見をナビゲートします。
最高のローカルフードを発見
フレンチポリネシアは、地形も気候も異なる5つの諸島からなる広大なエリアです。そのため、フレンチポリネシア各地で採れる食材は何百種類にも及びます。タヒチ産のバニラ、マルケサス諸島の蜂蜜、魚、果物や珍しい野菜まで、Patrick Seurot が解説します。 「フレンチポリネシアの食材は、皆さんが想像しているよりもはるかにバラエティに富んでいます。例えば、タロイモやウル、バナナはそれぞれ1種類ではなく、何十種類もあるのです。」フレンチポリネシアの旅で、ぜひ味わっていただきたい味覚を、食通のPatrickがご紹介します。
-ウル(Uru)「18世紀後半の出来事やバウンティ号の反乱というフレンチポリネシアにおける重要な歴史の一部と深く関わる食材、それがパンの木です。この木にまつわる伝説は多く、この木は東ポリネシアの文化とアイデンティティに根ざしています。バーベキューで楽しんだり、発酵ペーストにしたり、つぶしたり、揚げたり、粉でパンを作ったり、カアクにしたり(マルケサスの食べ物)と、魔法のようにあらゆる姿に変身する食べ物です。」
-コロリ(Korori)真珠貝の内転筋部分です。セビーチェやカルパッチョにしたり、レモンを絞ってボラボラ島の塩と共に食べたり、マグロやパロットフィッシュと混ぜて食べたりして楽しみます。
- 甲殻類 (Crustaceans): ヴァロ(シャコ)の繊細な美味しさは他に類を見ません。ロブスターよりも繊細な味覚が楽しめます。ここでは、スリッパロブスターやヤシガニも食べることができます。これらの珍味は他では食べられないのでフレンチポリネシアでのユニークな体験となるでしょう。
- クロマグロ(Bluefin tuna):ここでは深海マグロが獲れます。自然を大切にする漁法が守られているので、絶滅の危機に瀕するようなことはありません。フレンチポリネシアの海域は厳重に保護されています。調理をしても生でもおいしい新鮮なマグロをぜひ味わってください。
- タヒチ産バニラ(Tahitian vanilla):世界中のどこのバニラよりも優れたバニラが収穫されています。とても濃厚で、どんなデザートも引き立てるほど複雑な味わいと香りを持ち、ミシュランの星付きシェフもタヒチ産バニラを多く愛用しています。
フレンチポリネシアのシェフによる料理を味わう
フレンチポリネシアの美食は、高品質な食材の恩恵を受け作り上げる料理が主役です。数多くのシェフやレストランが、このモダンな食文化に貢献しています。タヒチ島のすばらしいシェフをご紹介します。
- Teao Maiarii:レストラン「Maru Maru」(パペーテ)のシェフ兼マネージャー
「彼は食材を知り尽くしたシェフで、本物の目利きです。Maru Maruの料理は素晴らしく、シェフはほとんど Fenua(メイド・イン・フレンチポリネシア)の食材しか使いません。」
- Heiarii Hoiore:Heiレストラン(パペーテ)のシェフ
「フランス本土でミシュランの星を獲得したシェフと働いた経験があり、比類のない技術を持っています。シェフは地元の食材を完璧に使いこなします。彼の料理は神業です。」
- Fabrice Métais:レストラン「L'Auberg'in」(パペーテ)のシェフ
「素晴らしいレストランです。地元の食材以外にもいろいろな食材を使った料理を提供していますが、中でも、地元の食材を使った料理は絶品です。とても優秀なシェフです。」
- Franck David:インターコンチネンタル タヒチ リゾート(ファアア)のレストラン「 Le Lotus」で20年以上シェフを務めるシェフ
「美食を満喫できるレストランです。シェフはとても才能があり、南仏のル・カネでミシュランの2つ星を獲得しているBruno Ogerがこのレストランのメニュー作りをサポートしています。彼は年に2回 Le Lotusを訪れ、知的でグルメなアプローチにより地元の食材を更においしく楽しめるメニューを考案しています。」
ルロット(フードトラック屋台)を楽しむ
地元の高級レストランや有名レストラン以外にも、タヒチ島ではリーズナブルに美味しいものを食べられるチャンスがたくさんあります。Patrick Seurotは「ルロット」を試してみることをお勧めしています。フレンチポリネシア料理の屋台は、道端やパペーテのVaieteのような広場、PiraeのAorai Tini Hau公園のパーキングエリアでよく見かけます。
タヒチ島を観光するなら、Patrick お気に入りのルロットを是非訪れてみてください「Vaipahi Water Gardens近くのMataieaにあるÔ Tumu Mapeのルロット。ここでは、オーナー一家の家庭菜園や果樹園で採れた新鮮な食材を使った料理が並びます。ヘルシーで美味しい地元の食材を低価格で食べることができます。」
様々なマラエを発見して島の歴史に思いを馳せる
タヒチ島には、フレンチポリネシアの文化や伝統を伝える何百もの史跡があります。古代祭祀場であるマラエは、フレンチポリネシアで最も魅力的な考古学的遺跡のひとつです。「私は歴史学の学位を持っています。古い石を発見すると、いつもとてもワクワクします。島にいるときはいつも、マラエを探して、それがどんな形をしているか、当時の名残があるかどうかを確認するんです。」
フレンチポリネシアで最も有名なマラエは、ライアテア島のTaputapuateaです。 Patrick Seurotにとって、ここは必見スポットです。 「Taputapuateaのマラエは、東ポリネシアで唯一ユネスコに登録された歴史的建造物です。この場所には不思議なパワーがあります、」
タヒチ島やライアテア島などのソシエテ諸島だけでなく、さらに南のオーストラル諸島にも多くのマラエがあります。 「オーストラル諸島にはあまり詳しくありませんが、世界で最もマラエが密集している場所だと言われています。是非、ガイドと一緒に先祖伝来の小道を訪ねたり、森の中の遺跡を見たりすることをお勧めします。」